私たちの日々の生活に欠かせない存在となっている銀行。身近なものを挙げてみると、都市銀行、地方銀行、信用金庫などさまざまな種類があります。
日本にある銀行の種類は大きくわけて5つあり、多様な金融商品を展開しています。今回は、銀行の種類ごとにそれぞれの違いやサービスの特徴などを一覧にして解説しましょう。
銀行の種類と事業内容
日本の銀行の種類は大きくわけて5つあります。
まずは、各銀行の概要からご覧ください。
1.中央銀行
中央銀行とは、国の金融の中心的な役割を果たす銀行のことで「日本銀行」(通称=にちぎん)のことを指します。
中央銀行には「発券銀行」「政府の銀行」「銀行の銀行」という3つの役割があり、他のどの金融機関と違った役割を担っています。
政府の銀行としての役割には、スピード違反の罰金の支払いを受け付けたり、「税金」や「社会保険料」をし集約したりするなど、政府のお金の管理する機能を果たしているのが特徴です。
中央銀行が管理している政府のお金は「国庫金」と呼ばれています。
この他、日本銀行券を発券できるのも、中央銀行の特徴です。
2.都市銀行
都市銀行は、東京・大阪の大都市に本店を置きながら、全国各地に支店を展開しています。
潤沢に資金があり信用力も高いことから、個人が安心してお金を預けられるというのが特徴です。
また、地方銀行や信用金庫に比べて預金額が高いため、一部上場企業や大企業への巨大投資を行うことが主な役割となっています。中小企業は都市銀行の融資を受けにくい傾向にあります。
都市銀行では、地方銀行と違って資産運用のためのさまざまな金融商品が販売されています。
高所得の富裕層や大口顧客を対象に資産運用を行っていることから、個人やそれほど大きな資産を持たない低所得層に対するサービスは地方銀行に劣るかもしれません。
3.地方銀行
地方都市を中心に地域密着型のサービスを提供している地方銀行は、地域内に多数の支店を展開しています。
中小企業や個人顧客に対するきめ細やかなサービスを提供しているのが特徴です。
ただし、都市銀行に比べるとやや金融商品の数やラインナップが少ないというのがデメリットです。
地方銀行は、都市銀行ほど資金力が強くないため、主に地方の中小企業向けに融資を行います。
4.信用金庫
信用金庫は信用金庫法の元で運営されている非営利団体で、銀行業務を展開できるエリアが限定されています。
取引先は、中小企業や個人の会員で、相互扶助の理念に基づき、地域の活性化のために融資を行うという特徴があります。
信用金庫の対象となる会員は、法律で定められたエリアに居住している事業者や個人のみです。
法人の場合は、事業規模の大きさに制限があり、中小企業しか融資を受けられない仕組みになっています。
5.その他の銀行(ゆうちょ銀行など)
ゆうちょ銀行は、全国に住む個人の貯金を預かったり、結婚や子育ての資金支援信託や教育資金贈与信託など、ライフスタイルに合わせた金融商品を提供したりしています。
他の金融機関と違い個人が貯金できる金額は、普通貯金と定期預金を合わせて1,000万円までという預入限度額が適用されています。
全国各地にATMや支店を展開しているため、地方在住者にとっては利用しやすいというメリットがあります。
自分に合った銀行を選ぶコツ
銀行は種類に応じて顧客となる取引先や取り扱っている金融商品にも違いがあり、住んでいる地域や利用したいサービスに応じて、自分に合った銀行を選ぶことが重要です。
銀行ごとのサービスの違いをしっかりと理解する
まず、銀行の種類ごとにサービスの違いをしっかりと理解することが重要です。
銀行の種類ごとに、事業内容の違いやサービスの特徴を一覧にしましたので、参考にしてみてください。
取引先 | 事業内容 | 特徴 | |
---|---|---|---|
中央銀行 | 国や国内の金融機関 | ・政府の金融機関として機能 ・日本銀行券の発券 ・銀行の銀行としての機能 |
個人に対してのサービスは行わない |
都市銀行 | 大企業、一部上場企業、全国に住む個人 | ・大企業への巨額投資 ・個人投資家への資産運用商品の販売 |
・大口顧客や巨大企業を中心に取引を行う ・豊富な金融商品が揃っており、投資などを行うことができる |
地方銀行 | 地方の中小企業、地方在住の個人 | ・中小企業への融資 ・個人への融資や地域密着型金融商品の販売 |
・地域に密着したきめ細やかなサービスができる ・地方に置いては、都銀よりもATMの数などが多い |
信用金庫 | 地方の中小企業、地方在住の個人 | ・対象となる会員(中小企業・個人)への融資を行う | ・非営利法人であり、地域の活性化のために資金融資を 行う ・信金法という銀行法とは異なった法律の下で運営されている |
ゆうちょ銀行 | 全国に住む個人 | ・全国各地に住む個人の預金を預かる ・ライフスタイルに合わせた金融商品を提供する |
・郵政民営化により民間の金融機関となった ・貯金限度額は一人1,000万円までの上限あり ・全国各地にあるので地方でも利用しやすい |
生活圏にある利便性の高い銀行を選ぶ
地方に住んでいる場合は、生活圏にある利便性の高い銀行を選ぶのがおすすめです。
ATMの利用がしやすい、定期預金や投資信託の相談に行きやすいなど、お住まいの地域の銀行を選ぶのが便利です。
融資を受けやすい銀行を選ぶ
住宅ローンを組みたい場合は、審査が通過しやすい銀行を選ぶというのも判断基準になります。
都市銀行では、貯蓄額が融資審査に影響しないのに対し、地方銀行や信用金庫では預金高がどれぐらいあるかによって審査が通りにくい場合もあるようです。
中小企業の経営者で地方在住の場合は、都市銀行では融資を受けづらいので、信用金庫を利用する方がアフターフォローなどのサービスも充実していてよいといえるでしょう。
銀行の種類は大きくわけて5つ!違いを理解して賢く選ぼう!
銀行の種類や業務内容、そしてサービスの特徴などを紹介しました。
銀行の種類は大きくわけて5種類、展開しているエリアや取り扱っている金融商品もそれぞれ違っています。
各銀行の違いを理解して自分に合った金融機関を賢く選びましょう。