世界全体の成長に賭けたいと考えている投資家の方は多いと思います。
世界全体に投資する投資信託として以前、セゾン資産形成の達人ファンドについてお伝えしました。
→危ない?悪評が立っている?評判の「セゾン投信資産形成の達人ファンド」をBMキャピタルと比較しながら徹底評価!
安全に資産運用したいという方の中には株式だけでなく、債券と分散することで安定した資産運用を行いたいという方もいらっしゃると思います。
今回とりあげるのはセゾン資産形成の達人ファンドとともに評判の世界経済インデックスファンドです。
シリーズの世界経済インデックスファンド(株式シフト型)についてお伝えしていきたいと思います。
世界経済インデックスファンドとは?
まずは世界経済インデックスファンドにつぃてお伝えしていきたいと思います。
世界の株式と債券に半々で投資
世界経済インデックスファンドは債券と株式に半々に投資します。セゾン投信のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドと同様の株式と債券比率ですね。
詳細比率は変動しますが大まかな債券と株式比率は一定となっています。
GDP構成比率毎に投資を行う
先進国と新興国の投資構成比率はGDPに準拠したものとなっています。
全世界の分散投資する「VT」は株式時価総額に即した構成比率となっています。
2023年2月28日現時点の構成上位10銘柄は以下となっています。
2023年2月末 | 2021年7月30日 | |
米国 | 34.27% | 36.16% |
日本 | 9.94% | 9.46% |
中国 | 5.12% | - |
フランス | 3.41% | 4.09% |
ケイマン島 | 3.06% | 3.82% |
ブラジル | 2.69% | - |
英国 | 2.66% | 3.35% |
メキシコ | 2.53% | - |
ドイツ | 2.53% | 3.17% |
台湾 | 2.47% | 3.20% |
イタリア | - | 3.01% |
ブラジル | - | 2.17% |
台湾 | - | 2.09% |
米国の時価総額は世界全体の60%程度ありますので、米国の構成比率が低く欧州や新興国の比率が多く配分されています。
高い購入手数料
投資信託なので購入手数料と信託手数料が発生します。購入手数料は3.3%(税込)で信託手数料は年率0.55%(税込)という金額になっています。
信託手数料自体は低いレベルです。しかし、購入手数料は非常に高い水準ですね。
なかなか初年度の両手数料を合わせた4%のビハインドを取り返すのは難しいですよね。
世界経済インデックスファンド(株式シフト型)とは?
次に派生型として存在している世界経済インデックスファンド(株式シフト型)についてお伝えしていきます。
株式比率が基本的には75%
世界経済インデックスファンド(株式シフト型)は名前の通り、株式の比率を高めたバージョンです。
株式投資比率は75%となっています。
世界経済インデックスファンドに比べて積極的にリスクを取りに行くという形式であるといえますね。
GDPに則した比率で高い新興国比率
世界経済インデックスファンド(株式シフト型)もGDPの構成比率と同様になっています。
以下の通り、通常バージョンに比べて米国株比率は上がっていますが、相変わらず新興国比率は高い水準となっています。
2023年2月 | 2021年7月30日 | |
米国 | 37.33% | 40.28% |
日本 | 10.81% | 9.64% |
中国 | 4.61% | 3.27% |
ケイマン島 | 4.60% | 5.74% |
台湾 | 3.70% | 3.14% |
インド | 3.36% | 2.31% |
韓国 | 2.97% | 3.06% |
フランス | 2.72% | 3.06% |
英国 | 2.64% | 3.03% |
ブラジル | 2.16% | - |
ドイツ | - | 2.44% |
やっぱり高い購入手数料
投資信託なので購入手数料と信託手数料が発生します。
購入手数料は3.3%(税込)で信託手数料は年率0.605%(税込)という金額になっています。
アクティブ型の投資信託としては低い信託手数料ですが、購入手数料は非常に高い水準ですね。
初年度合計4%の手数料が発生するのは相当なビハインドを負っての戦いとなります。
世界経済インデックスファンドのリターン
世界経済インデックスファンドのリターンについてみていきたいと思います。
世界経済インデックスファンドのリターンをeMAXISバランス(4資産均等)と比較
世界経済インデックスファンドは以下の通り、安定して上昇しています。しかし、直近2022年以降、殆ど横ばいで推移しています。
株式と債券のインデックスのバランスファンドであるeMAXISバランス(4資産均等)と比較したものが以下となります。
青:世界経済インデックスファンド
赤:eMAXISバランス(4資産均等)
殆ど同じ動きですね。手数料を支払ってインデックスと同じリターンでは割りにあいませんよね。
今、なぜ停滞しているのか?
今後の見通しはどうなのか?
という点については追ってお伝えします、
世界経済インデックスファンド(株式シフト型)と比較
では株式シフト型との比較を行ってみます。
青:世界経済インデックスファンド
緑:世界経済インデックスファンド(株式シフト型)
赤:eMAXISバランス(4資産均等型)
株式市場が堅調だった2020年に株式比率が高い株式シフト型がノーマル型を上回る成績となっていました。
ただ、直近停滞しているという結果は変わりませんね。eMAXIS4資産均等は殆どリターンを見込めない国内債券を25%くみいれているので大幅にアウトパフォームして欲しいところですが殆ど同じリターンになってしまっています。
2022年の停滞の理由と今後の見通し
2022年停滞した理由は以下の3つです。
理由1 | 世界的に株価が下落 |
理由2 | 債券価格の下落 |
理由3 | 進展した円安 |
パンデミック以降、「お金」をばら撒いて金利を引き下げたことで2021年後半から1970年以来のインフレが発生しました。
インフレが発生すると人々の生活が厳しくなるので中央銀行は金利を引き上げて、資金を吸収して金融引き締めを行ってインフレを沈静化させていきます。
金融緩和は上昇するので、反対の金融引き締めは株価は下落していきます。
また、金利が上昇するということは債券の下落を意味します。そのため株も債券も下落するというフェーズが到来しました。
しかし、円安が進んだことで相殺して2022年は停滞するという結果になりました。
重要なのは今後の見通しです。
2023年にはいってもインフレは若干鈍化しているものの、依然として7%近いインフレ率でFRBが目標とする2%には距離があります。
そのためしばらく金利は高い水準で維持される見通しとなっています。
インフレと高金利で実態経済が崩れるのは時間の問題で株価はしばらく厳しい見通しとなります。
不況が訪れると金利は下落するので債券価格は上昇して株の下落を補完するので横ばいの動きが続くことが想定されます。
一方、円安は調整される可能性が高くなっています。
理由は植田日銀新総裁になり金融政策を修正する確度が高くなっていることと、米国の景気後退によって米金利が低下する可能性が高くなっているからです。
よって日米の金利差が縮小してドル円は下落する見通しです。
つまり株と債券が均衡したとしてもドル円が下落すると世界経済インデックスファンドは下落していくと考えています
特に株式比率が高い株式シフト型の方が厳しい見通しとなります。
まとめとおすすめの投資先
世界経済インデックスファンドはノーマル型と株式シフト型の二つがあります。
ノーマル型:株式比率50%、債券比率50%
株式シフト型:株式比率75%:債券比率25%
両者とも手数料が発生するにも関わらず、インデックスと変わらないリターンとなっています。
株式と債券に分散しているので世界経済インデックスファンドはリスクは抑えられていますが、リターンがいまいちの結果となっています。
また、今後の見通しとしても厳しい環境が続くと見込まれています。
世界経済インデックスファンドに投資するような方は安全性を重視している方が多いと思います。
今後、インフレ第二波が発生した際は、また同様に株式と債券が同時に売られる局面が発生します。
そのような時期に最も魅力的な選択肢としてオルタナティブ投資が挙げられます。
オルタナティブ投資は株式や債券と動きが連動しない資産のことでポートフォリオの安定性を強化する投資先として機関投資家に重宝されています。
中でも最も有名なヘッジファンドは以下の通り指数を大幅にアウトパフォームしながら安定した右肩あがりのチャートを描いています。
以下では投資するのに魅力的なファンドをランキング形式でお伝えしていますのでご覧いただければと思います。