公募投資信託

投資信託の利回りを解明!平均でどれくらい儲けることが可能なのか?

投資信託と言えば会社員の方の資産運用先としてとても人気ですよね。テレビのCMや、インターネットでも投資信託の宣伝は大々的になされており、最近ではロボアドバイザーというのも出てきました。

投資信託 CM

 

ロボットがあなたが購入すべき投資信託を教えてくれるというものです。確かに投資信託は少ない金額から始めることができます。

プロが運用してくれるので安心、リターンも大きいと思う人が多数おり、投資信託の購入に踏み切るパターンが多いです。

しかし、資産運用で大切なのは、「実際に儲かっているのか?」ということです。今回は投資信託は「平均してどれくらい儲かるのか?」という点をデータを元に解き明かしてみたいと思います。

 

投資信託はそもそも儲かるのか?仕組みを最初に把握しよう

私がいつも残念に思うのが、会社員の方々がしっかりと調査をせずに、テレビなどの広告に踊らされ投資信託を購入してしまっている点です。

悪質な投資信託を購入してしまったは大きな損を被ることになります。結果として投資に対するアレルギーが生まれます。

 

中にはアレルギーを引きずりそのまま資産運用さえ諦めて貯金をコツコツと進めることを決意してしまうケースです。

そもそも投資信託は儲けが出る仕組みになっていないことは別の記事で解説しました。

投資信託は儲からない?やめたほうがいいい?大損しないための投信の選び方を含めてわかりやすく解説する!

 

簡単になぜ儲からないのかをおさらいしましょう。投資信託は販売会社と運用会社が一体となり一般投資家よりお金を集め運用します。一般投資家からは販売手数料と、購入した投資信託の投資額に毎日信託手数料という運用手数料を徴収します。

投資信託の販売会社、運用会社からすれば、とにかく一般投資家よりお金を集めれば儲かってしまうというスキームになっているのです。

つまり金融機関は堅実なリターンを出す投資信託より、派手で投資家から高い手数料を徴収しやすい商品ばかりを組成してしまう傾向にあるのです。

 

派手であってもリターンがよければ問題ないのですが、中には大きな損失を抱える結果となってしまう投資信託が数多く存在しているのです。(後述)

また、運用会社のファンドマネジャーはプロと言えど、やはりサラリーマンです。「儲けを出す」というのは簡単ではないのです。

 

簡単ではないことを、お金さえ集まってしまえばあとは商品を組成するだけ、

となれば...あとはご想像にお任せします。

 

一言に投資信託といってもパッシブ型(インデックス型)とアクティブ型の2つに大きく種類が分かれます。

それぞれの収益性を分析し、「投資信託は平均でどれだけ儲かるのか?」を次の項目から解説していきたいと思います。

 

投資信託「パッシブ(インデックス)型」の平均運用成績はどの程度なのか?

まずはパッシブ型(インデックス)の平均運用をみていきます。パッシブ(インデックス)型は、基準価額がある指標と連動することを目指して運用する投資信託です。

対象となる指標には、

  • 日経平均株価
  • TOPIX
  • 平均株価指数(S&P500)

 

などとなります。

一般的にパッシブ型の投資信託は、銘柄選択のために膨大な情報収集を必要としないため、運用コストは低く抑えられます。その分手数料もアクティブ型に比べると低額となっています。

投資家からすれば、非常に身近な日経平均などの株価指数に連動しており、シンプルで値動きが分かりやすい点が購入の決め手になっていることが多いでしょう。

 

実際にパッシブ型の投信は、実は個人でも指数構成銘柄を保有することで同様の運用成績を収めることができます。その手間暇を投資信託を購入してより手軽に投資するということですね。

 

長期的には、市場平均は高いパフォーマンスを上げると言われており、より高い成果を目指すアクティブ型の投資信託よりも信頼があるとされています。

個人的には投資信託をどうしても購入するというのであればアクティブ型よりパッシブ型の方が安心感があります。さて、実際のパッシブ型の投資信託のリターン(儲け)ですが、過去の推移を見ると以下の通りとなっています。

 

日本のTOPIXと米国の市場平均S&P500指数の過去30年の平均リターンをまとめたものです。日米で明確な差が出ていますね。

過去30年の日米の平均リターンの比較

 

【TOPIX】

プラスの利回りの確率:53%
年平均リターン:2.4%

【S&P500指数】

プラスの利回りの確率:70%
年平均リターン:11.4%

 

分かりやすく図解したものが以下となります。

過去70年の日米の株価指数の推移

 

直近はアベノミクスの影響もあり、日本株も食らいついていますが米国株は一貫して上昇しています。米国株単体でみると過去150年間、実質平均リターンは6.5%で安定しています。実質というのはインフレの影響を差し引いているので、名目だと9%-10%ということになります。

以下は過去150年間のS&P500指数の推移です。

S&P500指数の値動き

確かに、数十年単位でみると右肩あがりなのですが、所々で致命的な暴落を繰り返しています。場合によっては10年間、損失を被った状態を過ごすという可能性もあるのです。

S&P500指数に連動するVOOなどが人気ですが、VOO一本足打法では時に立ち直れないほどの打撃を食らうこともあるので注意が必要です。

 

投資信託「アクティブ型」の平均運用成績はどの程度なのか?

上記ではパッシブ(インデックス)型の投資信託の長期の運用成績を解説しました。

続いて、「アクティブ型」の投資信託の運用成績をみていきましょう。

 

アクティブ型投資信託は、ベンチマーク(日経平均、TOPIXなどの市場平均)を定め、そのベンチマークを上回って収益を出していくことを目指す運用です。

 

投資信託のプロのファンドマネジャーと言われる方々が、自らの相場観や運用方針、運用手法などに基づいて投資する銘柄を決定する実力勝負の世界です。

 

どの市場でベンチマークを設定し、運用をしていくかは目論見書に方針が書いてありますので、アクティブ型で投資信託を購入する場合は必読となります。

投資信託などの運用会社で活躍したファンドマネジャーは、自分の名前でファンドを立ち上げ独立することも多くあります。

 

運用会社は投資信託の購入者を増やすためにも引き止める策が必要であることは米国でもよく話題に上がります。

上記のパッシブ型は情報収集などもそこまで必要なく、実は個人でもできてしまう、と述べました。

 

しかし、アクティブ型はまさにファンドマネジャーに運用を委託することになり、ハイパフォーマンスを目指していきます。

一般投資家が徴収される信託手数料が大きくなるのは想像に難しくないと思います。

 

パッシブ型投資信託は信託手数料が0.5%〜/年ですが、アクティブ型は商品にもよりますが、1%〜2%/年となるのが特徴です。

プロに任せる方針なのでそこは仕方ないとして、肝心の日本のアクティブ型の投資信託の実際の運用成績はどうなっているのかをみていきます。

 

以下は金融庁が公表しているデータとなります。

人気アクティブ投信の成績

 

上図をみてみると、純資産額上位5商品(最も人気のあるアクティブ型)の成績が示されています。過去10年の平均はマイナス運用となってしまっていますね。

対して米国は5.2%という運用成績を出しています。米国投信に成績の高さと手数料の低さで大きく水を開けられており感心しませんね。

信託手数料毎の投資信託の成績

次の図では、横軸に信託手数料、縦軸に運用成績をプロットした図です。

信託報酬が高い商品から平均成績が安定していないことが読み取れます。加えて「平均リターン」が低下しています。

 

上記は信託報酬控除後ですが、ここからさらに購入手数料が掛かってきます。2%以上のリターンでしたら手数料を差し引いてもプラス運用は維持できますが、

1.26%、1.27%などのリターンだと手数料を引いたらマイナス運用となってしまうことの方が多いでしょう。

 

さらにプラス運用で利益が出ても、解約、つまり売却する時にはそれはキャピタルゲインとなりますので、所得税と住民税(20.315%)が掛かってきますので、利益はさらに縮小されてしまいますね。

 

この記事のまとめ

上記ではパッシブ型(インデックス)とアクティブ型の投資信託のリターンを解説してきました。プロに任せて高いリターンを狙うアクティブ型は意外にも投資信託は利益を出すことが難しいことがわかりました。

 

投資信託に投資をするのであれば市場に連動するパッシブ型が投資信託を購入する人には良いかと思います。

 

但し、世界金融危機などイベントが起こると、大きな損失を被って耐えられなくなる可能性があります。2000年代はITバブルとリーマンショックで10年間損失を耐える時期がつづきましたからね。

おわりに

各記事ではBMキャピタルについて様々なポイントを各論として紹介しています。

以下の記事ではBMキャピタルに投資している筆者の視点で目次形式で全ての論点を纏めています。

 

大切な資金を預けるからこそあらゆる観点で納得がいってから投資をするべきであると思い筆者も色々と調べた上で決断しました。

BMキャピタルについてより詳しく知りたいという方は以下のトップページから気になる項目をご覧いただければと思いますl

 

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