近年、投資家の中には日本株だけでなく海外の株式に目をつけ始めている投資家が増えて来ています。
とはいっても、どの銘柄に投資をしていいか判断がつかないという方が殆どでしょう。
そのような方は投資信託を用いて外国株へ投資をしようと考えているかと思います。
本日は初心者の投資家に人気の以下の二つの投資信託を比較しながら徹底評価していきたいと思います。
- ニッセイ外国株式インデックスファンド
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス
ニッセイ外国株式インデックスファンドとはどんなファンド?
ではまずニッセイ外国株式インデックスファンドからみていきましょう。
連動対象はMSCIコクサイ・インデックス(配当込み・円換算)
インデックスファンドという名前がついているので、指数に連動することを目指す投資信託であることがわかります。
ニッセイ外国株式インデックスファンドは日本以外の先進国株式に連動するMSCIコクサイ・インデックスに連動するよう組成されています。
以下がMSCIの説明です。
The MSCI Kokusai Index (also known as the MSCI World ex Japan Index) captures large and mid cap representation across 22 of 23 Developed Markets countries* (excluding Japan). With 1,287 constituents, the index covers approximately 85% of the free float-adjusted market capitalization in each country.
Ref:MSCI
日本の除く22カ国の先進国の1287銘柄の浮動株時価総額加重平均指数ということですね。
これは各銘柄の取引可能な発行済株式数と株価を掛け合わせた浮動株時価総額順に組み入れているということです。
全浮動株時価総額の85%をカバーしているとしていますね。
2005年からの成績としては以下の通りとなっており、全世界や先進国株のパフォーマンンスを上回っています。
MSCI Kokusai:先進国(除く日本)
MSCI World:先進国(含む日本)
MSCI ACWI IMI:先進国+新興国
残念ながら日本の日経平均株価やTOPIXのパフォーマンスが低いことを如実に表していますね。
組み入れ国別構成比率
ニッセイ外国株式インデックスファンドの国別構成比率は以下となります。米国が脅威の72%となっています。
7割型米国株式ファンドとみることもできますね。
国 | 比率 |
アメリカ | 72.47% |
イギリス | 4.52% |
フランス | 3.83% |
カナダ | 3.55% |
スイス | 3.05% |
その他 | 12.59% |
組入上位銘柄はGAFAMが占める
組入上位銘柄も米国株が上位を独占しています。
特に巨大ハイテク株であるGAFAMだけで全体の16.1%を占めています。(参照:2023年3月月報)
順位 | 銘柄 | 比率 |
1 | アップル | 4.2% |
2 | マイクロソフト | 3.6% |
3 | アマゾン | 2.7% |
4 | フェイスブック | 1.6% |
5 | アルファベット(C) | 1.4% |
6 | アルファベット(A) | 1.4% |
7 | テスラ | 1.0% |
8 | エヌビディア | 0.9% |
9 | JPモルガン | 0.9% |
10 | J&J | 0.8% |
手数料は低く抑えられている
ニッセイ外国株式インデックスファンドはインデックスファンドですので手数料は非常に低く抑えられています。
販売手数料は無料で信託手数料はファンドの純資産額に年率0.1023%以内の率を掛け合わせた金額となっています。
100万円購入したとしても年間1023円の手数料で良いということですね。
インデックスファンドは手数料の低さが非常に重要です。十分合格点と言える水準かと思います。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスとは?
では次にeMAXIS Slim 先進国株式インデックスファンドについて見ていきましょう。
連動対象はニッセイ外国株式インデックスと同じ
連動対象はニッセイ外国株式インデックスと同じくMSCIコクサイ・インデックス(配当込み・円換算)となっています。
つまり構成銘柄や構成比率は基本的に外国株式インデックスと同じ構成となっているということが出来ます。
手数料も同じ
手数料も完全に同じで信託手数料は年率0.1023%(税抜 年率0.093%)以内となっています。
完全にお互いを意識していると言える結果になりましたね。
両者の成績を比較
連動を目指すインデックスも手数料水準も全く同じなので、後はリターンの比較が重要な要素になります。
以下は両者を比較したものです。
青色:ニッセイ外国株式インデックスファンド
赤色:eMAXIS Slim先進国株式インデックス
全く同じ水準となっていますね。どちらに投資をしたとしても殆ど遜色ないといっても過言ではないでしょう。
長期的にみると最初にお伝えしたように高いリターンをだすことが見込まれます。
しかし、2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックでは暴落となっています。
大きな資産を投じるのは特に老後が近い世代の方には難しい判断となりますよね。
そのような方に向けて以下で安全性の高い長期投資に適したファンドをランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。
まとめ
「ニッセイ外国株式インデックスファンド」と「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」は両者とも日本を除いた先進国株式インデックスに連動する成果を目指す投資信託です。
手数料水準も成績も同じです。
あえてどちらが優れているというものではなく日本以外の先進国に投資をするのであれば魅力的なインデックスといえるでしょう。
ただ、両者は二つの問題点があります。
一つ目は世界景気の影響をダイレクトにうけるため、度々暴落が発生して高齢者には適さないということ。
二つ目は債務問題やEU解体の可能性を抱える欧州もポートフォリオに含まれていることです。
アクティブ型の投信よりは魅力的ではありますが、最良の選択肢かというと疑念が残るところです。