公募投資信託

株式投資初心者にレバレッジ投資信託はおすすめできない!長期投資に不向きな理由をわかりやすく解説する。

レバレッジ型の投資信託は日本で人気を博している投資信託です。実際2023年3月末時点の楽天証券の投信人気ランキングでは上位10位までに4つレバレッジ型の投資信託がランクインしています。

破産者が続出していないか心配になってしまいます。

人気の投資信託に占めるレバレッジ型投信の割合

 

レバレッジ型の投資信託は相場の方向感がはっきりしている時にピンポイントで投資をする場合に限って効果を発揮します。

しかし、相場の方向感が明確でない場合は大きな損失を被る結果を招きます。つまり、レバレッジ型投資信託は長期投資に適した仕組みになっていないのです。

 

本日は初心者の方がレバレッジ型投資信託に抱いている誤解を解いていきたいと思います。わかりやすく図を用いて説明していきますので参考にしていただければと思います。

 

投資初心者のレバレッジ型投信の誤解

レバレッジ投資信託で一番大きな誤解をまずは認識頂きたいと思います。例えば日経平均の2倍の動きをするダブルブルに投資をする場合を例に考えてみましょう。

日経平均が20,000円の時に投資をしたとします。1月後、相場は好調で22,000円まで10%上昇したとします。この時、ダブルブルに投資をしている投資家は10%の二倍の20%上昇すると考えているのが多いのではないでしょうか?

レバレッジ型投資信託の罠

 

しかし、現実は20%上昇するわけではありません!じゃあ、一体何%になるの?と疑問に思われた方が多いと多います。しかし、性格に何%上昇するのかはわかりません。

場合によっては下落する可能性もあるのです。では何故、単純に運用成果がレバレッジを掛け合わせた結果にならないのかという謎を解明していきましょう。

 

レバレッジ型投信の特徴!日々の値動きにレバレッジがかかる

レバレッジ型の投資信託は日々の動きにレバレッジをかける動きをします。日々の動きというのが重要になるのです。

 

相場の方向性が明確な時はレバレッジ投信は威力を発揮する

例えば日経平均が投資した時点で20,000円とします。投資後、毎日2%ずつ上昇した場合のダブルブルの動きは以下となります。

5日後に日経平均は15.9%の上昇となっていますが、ダブルブルは33.8%の上昇と2倍以上の上昇になっています。

通常ケースのダブルブル

  投資時点 1日 2日 3日 4日 5日
日経平均 20000.0 20600.0 21218.0 21854.5 22510.2 23185.5
上昇率 - 1.0% 6.1% 9.3% 12.6% 15.9%
ダブルブル 20000.0 21200.0 22472.0 23820.3 25249.5 26764.5
上昇率 - 6.0% 12.4% 19.1% 26.2% 33.8%

 

インデックスが横ばいでもレバレッジ型投信は下落する

相場が思った方に一方向に動くのであればレバレッジ型投資信託は大きなリターンをもたらします。

しかし、相場が停滞して横ばいの場合は、レバレッジ型投資信託は下落してしまうのです。下落幅が分かりやすように3倍ブルを購入した場合のケースで考えてみましょう。

 

【ケース①】

日経平均が20000円から始まり
→22000円(+10%)
→19800円(▲10%)
→21780円(+10%)
→19602円(▲10%)
→20000円

と10%ずつの上下を繰り返して5日後に元の20,000円に落ち着いたケースを考えます。

対象となるインデックスが停滞した場合のレバレッジ投信の値動き:ケース①

投資時点 1日 2日 3日 4日 5日
日経平均 20000.0 22000.0 19800.0 21780.0 19602.0 20000.0
前日比騰落率 - 10.0% -10.0% 10.0% -10.0% 2.0%
上昇率 - 10.0% -1.0% 8.9% -2.0% 0.0%
トリプルブル 20000.0 26000.0 18200.0 23660.0 16562.0 17570.8
前日比当落率 - 30% -30% 30% -30% 6%
上昇率 - 30.0% -9.0% 18.3% -17.2% -12.1%

 

インデックスは最終的に変わらないのに、トリプルブルは▲12.1%と大きな損失を被っています。では逆のケースではどうでしょうか?

 

【ケース②】

日経平均が20000円から始まり
→18000円(▲10%)
→19800円(+10%)
→17820円(▲10%)
→19602円(+10%)
→20000円

と10%ずつの上下を繰り返して5日後に元の20,000円に落ち着いたケースを考えます。(先ほどとは逆ですね)

対象となるインデックスが停滞した場合のレバレッジ投信の値動き:ケース②

投資時点 1日 2日 3日 4日 5日
日経平均 20000.0 18000.0 19800.0 17820.0 19602.0 20000.0
前日比騰落率 - -10.0% 10.0% -10.0% 10.0% 2.0%
上昇率 - -10.0% -1.0% -10.9% -2.0% 0.0%
トリプルブル 20000.0 14000.0 18200.0 12740.0 16562.0 17570.8
前日比当落率 - -30% 30% -30% 30% 6%
上昇率 - -30.0% -9.0% -36.3% -17.2% -12.1%

 

今回も同様に5日目にインデックスは変わらないのに、トリプルブルは▲12%という結果になってしまいました。

相場に明確な方向性がなく停滞している場合は、レバレッジ型投資信託の基準価格は下落してしまう傾向にあるのです。

 

楽天日本株4.3倍ブルの値動きは!?

では実際の値動きの例をもとに見ていきましょう。

以下は最初に紹介した楽天証券の投信買付ランキング第3位の楽天日本株4.3倍ブルの値動きです。

青:楽天日本株4.3倍ブル
赤:日経平均

楽天日本株4.3倍ブルと日経平均の値動きの比較

 

日経平均は約60%上昇しているにも関わらず、4.3倍ブル0%付近となっています。大きな値動きでリスクをとっているのに、日経平均のインデックスに惨敗です。正直とっているリスクに対して割にあわないですよね。

本当に短期トレード以外での活用はあり得ないのです。

 

金融庁も長期投資に適さないとして「つみたてNISA」からレバレッジ型投信を除外

金融庁は投資嫌いな日本人が本格的に投資に踏み出すために「つみたてNISA」という制度を開始しました。

「つみたてNISA」では金融庁が長期投資に適した投資信託を厳選しており、条件としてレバレッジをかけていないことを挙げています。

金融庁が示す長期投資に適した投資信託

 

レバレッジをかけていれば、先ほどの理屈と楽天日本株4.3倍ブルの実例から分かる通り、長期的な資産形成を行うことができないからです。

あくまでレバレッジ型の投資信託は方向感が明確な時に、短期的に使用することに使用用途を限った方がよいでしょう。

 

まとめ

レバレッジ投資信託は方向感が出ている時は、ベットした方向に相場が動けば大きなリターンを得ることができます。

しかし、違った方向に進めば当然多大な損失を被ることになるばかりでなく、相場が横ばいの場合でも損失を被ってしまう特徴を備えています。

これは、レバレッジ投資信託が日々の値動きにレバレッジをかけることに起因して発生します。長期的に資産を形成したいのであれば避けた方が賢明です。

 

おわりに

各記事ではBMキャピタルについて様々なポイントを各論として紹介しています。

以下の記事ではBMキャピタルに投資している筆者の視点で目次形式で全ての論点を纏めています。

 

大切な資金を預けるからこそあらゆる観点で納得がいってから投資をするべきであると思い筆者も色々と調べた上で決断しました。

BMキャピタルについてより詳しく知りたいという方は以下のトップページから気になる項目をご覧いただければと思いますl

 

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