公募投資信託

評判の投資信託「ベイリー・ギフォード・インパクト投資ファンド」(愛称:ポジティブチェンジ)を口コミを含めて評価!

ベイリー・ギフォード・インパクト投資ファンドはポジティブチェンジの愛称で親しまれている投資信託です。

販売しているのは三菱国際投信ですが、名前の通りベイリーギフォード社が運用しています。

 

ベイリーギフォードは以前お伝えした「ロイヤルマイル」を運用しています。(販売しているのは同じく三菱国際投信)

→ 【ロイヤル・マイル】実績が評判の投資信託「ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド」を今後の見通しや口コミを含めて評価!

 

本日はポジティブ・チェンジについて、どのような投資信託なのか?

投資妙味があるファンドなのか?

という点を中心にしながらお伝えしていきたいと思います。

 

ESG投資を行うベイリー・ギフォード・インパクト投資ファンド(=ポジティブチェンジ)

ベイリー・ギフォード・インパクト投資ファンドは「社会的課題の解決」と「経済的利益の獲得」を追求することを投資哲学として運用しているファンドです。

愛称として親しまれているポジティブチェンジは「社会の前向きな変化を投資で応援する」という意味を含んでいます。

上記の目標を達成するためにポジティブチェンジはESG投資を行うとしています。ESGとは以下のことを意味します。

 

ESG投資とは、環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資のことです。ESG評価の高い企業は事業の社会的意義、成長の持続性など優れた企業特性を持つと言えます。

参照:大和証券

 

メモ

【E:環境(=Environment)】
環境に配慮している。例えば二酸化炭素の排出量が多くないか、環境汚染をしていないか、再生可能エネルギーを使っているかなどが指標となります。

【S:社会(=Social)】
社会に貢献。例えば、地域活動への貢献、労働環境の改善、女性の社会進出などです。

【G:企業統治(=Governance)】
企業投資がしっかりしており不祥事が起きない運営ができているかどうか

 

ESG投資残高は世界中で投資残高が増えている流行りの投資手法です。

ESGの投資残高

 

ポジティブチェンジではテーマを以下の四つとしています。

1.平等な社会・教育の実現
2.環境・資源の保護
3.医療・生活の質向上
4.貧困層の課題解決

 

ポジティブチェンジの投資テーマ

 

 

運用を担当するのはベイリーギフォード社

名前に入っている通り運用は三菱国際投信が行うわけではありません。

運用は名前の通り、ベイリー・ギフォード・インベストメント・マネジメント(ヨーロッパ)リミテッドが運用します。

ベイリーギフォードは1908年に創業の100年以上にわたる経験を有する資産運用会社です。

ポジティブチェンジのファンドの運用方式

 

ただ、この運用形式だとベイリーギフォード社と三菱国際投信の両方に手数料が取られることとなるのが難点となります。

 

米国株式が約半分を占める構成国比率

以下は2023年4月末時点と2021年7月末時点でのポジティブインパクトの国別の構成比率の推移です。

国・地域 2023年2月末 2021年7月末
米国 39.9% 46.6%
ブラジル 9.9% 4.9%
デンマーク 9.4% 8.2%
オランダ 6.5% 7.6%
台湾 5.4% 6.0%
カナダ 5.2% 3.5%
インド 4.2% 2.7%
インドネシア 4.2%  -
ドイツ 3.0%  -
ベルギー 3.2% 3.7%
スウェーデン - 4.1%
日本 - 2.9%

2021年7月末に比べて米国の比率が大きく下落して、ブラジルやデンマークに振り分けられています。

株式市場の規模でいうと2番の日本ですが現在は圏外になっています。由々しい限りですね。

ヘルスケアセクターに偏った業種構成

以下は業種別構成比率です。ヘルスケアと情報技術で50%を超える比率となっています。

業種 2023年2月 2021年7月
ヘルスケア 25.4% 35.2%
情報技術 20.0% 17.3%
一般消費財・サービス 13.6% 13.6%
資本財・サービス 11.7% 10.6%
素材 11.1% 9.9%
金融 13.1% 6.0%
公益事業 3.7% 3.9%
生活必需品 - 1.7%
コミュニケーションサービス 0.5% 0.7%

この2つの産業はハイテク銘柄が多く組み込まれています。

ESG投資を行うにはテクノロジーに投資することになるので結果的にハイテク企業の組み入れ比率が多くなることが想定されます。

ポジティブインパクトの構成上位10銘柄

以下はポジティブインパクトの2023年の2月末の構成上位10銘柄です。

銘柄 産業 構成比率
MERCADOLIBRE ブラジル 一般消費財 7.7%
ASML オランダ 情報技術 6.5%
TSMC 台湾 情報技術 5.4%
DEERE アメリカ 資本財サービス 5.3%
DEXCOM アメリカ ヘルスケア 4.9%
MODERNA 米国 ヘルスケア 4.9%
BANK RAKYAT インドネシア 金融 4.2%
HOUSING DEVELOPMENT インド 金融 4.2%
SHOPIFY カナダ 情報技術 4.1%
ALNYLAM PHARMACEUTICALS アメリカ ヘルスケア 4.1%

 

MERCADOLIBREは、南アメリカの主要な電子商取引プラットフォームであり、オンライン決済、広告、ロジスティクス、およびeコマースプラットフォームを提供している会社です。

同社は、中南米の13カ国で事業を展開し、2020年には2億人以上のユーザーが登録しています。

同社の主要な市場はアルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルー、ウルグアイです。要は南米のアマゾンということですね。

 

2022年後半から堅調に推移していますね。アマゾンと同様の動きとなっています。

MERCADOLIBREの株価推移

 

2021年7月からの構成上位銘柄の推移は以下となります。構成銘柄は様変わりしていますね。

 

2023年2月 2021年7月
1 MERCADOLIBRE MODERNA
2 ASML ASML
3 TSMC TSMC
4 DEERE MERCADOLIBRE
5 DEXCOM DEXCOM
6 MODERNA ILLUMINA
7 BANK RAKYAT TESLA
8 HOUSING DEVELOPMENT NIBE INDUSTRIER
9 SHOPIFY ORSTED
10 ALNYLAM PHARMACEUTICALS UMICORE

 

ポジティブチェンジの手数料水準

ポジティブチェンジの手数料水準は以下となります。

購入手数料:3.30% (税込)
信託手数料:1.463% (税込)

 

ポジティブチェンジのリターン

ポジティブチェンジのリターンは以下となります。

ポジティブチェンジのリターン

 

灰色の参考指数はMSCI オールカントリー・ワールド インデックス(配当込み、円ベース)です。この指数は全世界の株式の値動きを代表する指数です。つまり世界の株式の平均的ということですね。

2019年からみるとポジティブチェンジは全世界株をアウトパフォームしています。

これは2020年のコロナショックでハイテク企業が急激に上昇したことを受けてハイテク企業に多く投資していたポジティブチェンジも大きく基準価格を上昇させたためです。

 

しかし、2020年に上昇しすぎたことを受けて2021年にはいってから足踏みをしています。2021年からの比較チャートを見ると以下の通りとなります。

青:ポジティブチェンジ
赤:全世界株式

ポジティブチェンジとeMAXIS全世界株式の2021年以降のチャートの比較

 

ポジティブチェンジの価格の値動きはボラティリティが高くなっています。株価が高くなっている企業を多く取り入れているので今後も足踏みをする可能性が高いとみています。

 

ポジティブチェンジの今後の見通し

重要なのは今後の見通しです。

2023年4月現在、インフレも一旦沈静化し始め金利も下落基調にあり、成長株はリバウンドしています。

米国の地銀の破綻問題もあり金利の引き上げが難しく、銀行救済のためにバラマキも開始してしまいました。

 

しばらくはリバウンド局面がつづくかもしれませんが、インフレ2波が到来する確度が高まっています。

実際、現在と同じインフレが発生した1970年代は3回もインフレが発生し、10年間で株価のリターンは無しという状況でした。

以下は1970年代のS&P500指数の推移です。

1970年代のS&P500指数の推移

 

2020年代は通常の株式指数は右往左往する展開が予想されます。当然、金利感応度が高い銘柄に投資しているポジティブチェンジも不安定なリターンとなることが見込まれます。

 

まとめ

ポジティブチェンジはESG投資を投資哲学として据えている投資信託です。そのため、ハイテク企業を多くポートフォリオに組み入れています。

ハイテク企業は2020年度はコロナショックの影響でテクノロジー企業が全体的に堅調に推移したことを受けて大きく価格を上げました。

 

しかし、価格上昇が激しすぎて、現在は足踏み状態となっています。

ハイテク企業は価格の値動きが激しいので、安全に資産を形成していきたいという方にとっては必ずしも適した選択肢とはなりません。

安定したリターンで資産を積み上げていきたいという方に向けて、以下でおすすめできる投資先をランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。

おわりに

各記事ではBMキャピタルについて様々なポイントを各論として紹介しています。

以下の記事ではBMキャピタルに投資している筆者の視点で目次形式で全ての論点を纏めています。

 

大切な資金を預けるからこそあらゆる観点で納得がいってから投資をするべきであると思い筆者も色々と調べた上で決断しました。

BMキャピタルについてより詳しく知りたいという方は以下のトップページから気になる項目をご覧いただければと思いますl

 

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